マイナンバーカードがあれば、確定申告手続きが楽になります。具体的にどのようなメリットがあるのか、電子申告e-Taxと関連付けながら紹介します。
確定申告時期に税務署の窓口に並んでいた方や、さまざまな必要書類を集めるのに時間をかけていた方必見です。

マイナンバーカードは確定申告に必須?

公的な書類には、マイナンバーの記載が求められる機会が増えてきました。マイナンバーカードが健康保険の代わりになったり、運転免許証と連携させたりと、マイナンバーカード保持が促進されています。
そこで気になるのが、確定申告するにはマイナンバーカードが必要なのか?と言った問題です。結論から言うと、必須ではありません。
しかし、マイナンバーカードがあると、確定申告の手続きが楽になります。実際、マイナンバーカードを使って確定申告すると、どのようなメリットが受けられるのか紹介します。

マイナンバーカードを使って確定申告するメリット

マイナンバーカードがあると、税務署に行かずに申告が楽にできます。3つのメリットがあるので、それぞれ解説していきます。

電子申告がスピーディー

マイナンバーカードを使えば、電子申告から還付までの時間を早められます。e-Taxから還付申告されたものは、3週間程度で還付処理が済むからです。
また、マイナンバーカードがあれば、本人確認提出が省けます。準備する提出物が少なくなるため、申告までの時間が早くなるでしょう。確定申告期間は24時間e-Taxから確定申告できるので、忙しい人も日中に時間を空ける必要がありません。

スマホで申告できる

マイナンバーカードとマイナンバーカード読み取り対応のスマホがあれば、スマホから簡単に確定申告できます。確定申告の電子申告化が進む中、マイナンバーカードがあれば、申告はどんどん楽になっています。
自宅でも出先からでも申告できるので、申告忘れの心配がなくなるでしょう。ただし、個人事業主はスマホから申告できません。

控除証明書が一括取得できる

マイナンバーカードがあれば、マイナポータル連携で確定申告に必要な書類が一括取得できます。取得したデータは、そのまま申告書に自動入力されます。自動入力するには、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」の利用が必要です。
また、e-Tax送信すれば、データ取得されているため書類の保管や管理の必要がありません。必要書類が多い方も、自動で保管してくれるので便利です。

マイナンバーカードがあると税務申告手続きが楽になる!


マイナンバーカードで電子申告するメリットについて前述しました。電子申告だけではなく、マイナンバーカードがあれば税務申告手続きが楽になります。

税務申告書類にはマイナンバーの記載が必須

確定申告などの申告書を始め、税務署に提出する申請書等には必ず個人番号を記載しなければなりません。法人の場合は、法人番号の記載が必須です。

本人確認・個人番号確認が必要

マイナンバーの記載が必要な書類を提出する場合は、必ず「個人番号の確認」+「本人確認」が必要になります。なりすましによる被害を防ぐためです。
そのため、通知カードで番号を確認している方は、番号確認書類と本人確認書類の2つの提示が必要になります。毎年行う確定申告で、通知カードまたは住民票の写しと、本人確認書類の写しを用意しなければなりません。
マイナンバーカードならば、マイナンバーカードの写しを一枚提出するだけで、番号確認も本人確認も同時に行えます。e-Taxで提出すれば、本人確認書類の提出も必要ありません。

税務署にいかずマイナンバーカードで電子申告する方法

それでは実際に、マイナンバーカードで電子申告する方法について解説します。この方法で行えば、毎年の確定申告が楽になります。

e-Taxで電子申告

インターネットから行う電子申告をe-Taxと言います。e-Taxを利用すれば、税務署や郵便局に行く必要なく、自宅から申告できます。
e-Taxでは以下のような手続きが行なえます。

  • 所得税
  • 贈与税
  • 法人税
  • 地方法人税
  • 消費税
  • 復興特別法人税
  • 酒税及び印紙税
  • 全税目の納税
  • 申請・届出等

所得税の確定申告以外にも、上記のような税務申告が行えます。税務署への届け出や申請手続き、納税までできます。
青色申告の場合、最大65万円の控除を受けるにはe-Taxからの申告が必須です。

電子申告に必要なもの

電子申告するために必要なものは、以下の3つです。

  • パソコン
  • マイナンバーカード
  • ICカードリーダーまたは対応スマホ

青色申告事業者など個人事業主は、パソコンからの電子申告が必須です。電子申告の際は、必ずパソコンを用意しましょう。
また、マイナンバーカードがあることを証明するためには、マイナンバーカードの情報を読み込む機械が必要になります。それが、ICカードリーダーです。2,000円程度で購入できる物が多く、パソコンに繋げて使います。
ICカードリーダーがない場合は、マイナンバーカード読み取りに対応したスマホからも読み取れます。

e-Taxで申告する手順

e-Taxで申告する手順について解説していきます。

事前準備

  1. マイナンバーカードのパスワード控えを準備します。カード取得時に設定した3種類のパスワード(利用者証明用電子証明書、署名用電子証明書、券面事項入力補助用)が必要です。
  2. ICカードリーダーを準備するか、所持しているスマホが対応しているか確認します。
  3. e-Tax送信に必要なソフトをインストールする。国税庁のホームページまたはe-Taxサイトで、セットアップファイルがダウンロードできます。

申告データの入力

確定申告書等作成コーナーにてマイナンバーカードとICカードリーダーの認証を終えたら、画面に従ってデータ入力していきます。申告書ができたら、データ保存します。

e-Taxから送信

保存した申告データを送信します。

事前準備が必要なのは最初だけです。一度マイナンバーカードを使ってe-Taxから申告すれば、その後は申告データの入力をするところから始められます。

マイナンバーカードなしに確定申告する方法


ここまでは、マイナンバーカードを使った確定申告について解説してきました。しかし、マイナンバーカードを使わなくても確定申告はできます。

税務署に郵送か持ち込む

税務署の窓口に提出するか、郵送でも申告できます。昔からの一番オーソドックスな方法です。しかし、確定申告時期になると税務署は混雑しています。持ち込む方が多いため、時間がかかるかもしれません。
また、現在は新型コロナウイルス感染拡大リスク軽減により、持ち込みを控えているところもあります。事前に確認しましょう。
2022年より青色申告の場合、電子申告をしないと最大65万円の控除はもらえません。窓口や郵送での申告は最大55万円控除です。

e-Tax利用するには税務署で手続きが必要

マイナンバーカードがないと、e-Tax申告するために税務署での手続きが必要になります。
事前に税務署で本人確認を行い、IDとパスワードの発行が必要です。なぜなら、マイナンバーカードから個人情報の読み取りができないからです。
税務署に足を運ばなければならないため、手間がかかります。確定申告手続きギリギリに行うと、税務署が混雑しており、発行に時間がかかるかもしれません。

マンナンバーカードを作って税務申告を楽にしよう!


マイナンバーカードを持っていない方も、今から簡単に取得できます。毎年の確定申告が楽になり、税務書類の手続きもスムーズに進みます。
3つの申請方法を紹介するので、行いやすい方法で作成してください。

スマホで簡単に申請

2021年3月までに送られた交付申請書にあるQRコードを読み込めば、スマホから申請できます。交付申請書と顔写真データを使えば、後は画面の流れに従って進められます。
顔写真データは6か月以内のもので、無背景のものです。申請前に撮影するのがおすすめです。
ただし、交付申請書に書かれた住所が現在のものと異なっている場合は、新たに「交付申請書等ダウンロードページ」より取得が必要です。

証明写真機から申請

マイナンバー申請に対応している証明写真機なら、証明写真をとってその場で申請手続きまでできます。

  1. メニューより個人番号カード申請・マイナンバーを選択
  2. 交付申請書のQRコードをバーコードリーダーにかざす
  3. 顔写真の撮影
  4. 画面に従って必要事項を入力

以上の手順で証明写真機から申請できます。スマホだと上手く写真を撮れない方や、綺麗に撮影したい方におすすめです。

交付申請書がない方は郵送で申請

交付申請書をなくしてしまった方は、郵送での申請手続きが可能です。マイナンバーカード総合サイトから、「交付申請書」をダウンロードします。
必要事項を入力し、顔写真を貼り付けます。郵送時には押印も必要です。郵送時は記入漏れが多くなりやすいので、提出前に入念に確認しましょう。

マイナンバーカード交付は約1ヶ月かかる

マイナンバーカードを受け取るには、申請から1ヶ月はかかります。申請後に交付通知書のはがきが届くので、それを持って指定の場所に受け取りに行きます。
確定申告に間に合わせるためには、1月中には申請手続きを行うのが得策です。現在はマイナポイント最大20,000円の受け取りキャンペーンを行っているため、受け取りに時間がかかるかもしれません。

まとめ

マイナンバーカードで確定申告すると、さまざまなメリットがあることがわかりました。マイナンバーカードの取得がまだの方は、毎年の申告手続きを楽にするためにも申請してみてはいかがでしょうか。

特に青色申告事業者は、e-Taxからの申告がおすすめです。マイナンバーカードで電子申告をよりスピーディーに行えば、税務申告に必要な手続きも楽になるでしょう。


参考記事
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/mynumber.htm
https://www.kojinbango-card.go.jp/download/
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/zeimusho_shinseisho.htm
https://biz.moneyforward.com/tax_return/basic/41142/
https://www.yayoi-kk.co.jp/aoiroshinkoku/mynumber.html
https://sure-i.co.jp/journal/tax/entry-206.html