「ビットコインで得た収入に確定申告が必要?」
「帳簿付けに時間がかかりそう……税理士に丸投げをしたい」
「税理士に依頼する際の費用感を知りたい」
お給料とは違い、無形物である仮想通貨・ビットコインにそもそも確定申告が必要なのか分からないですよね。
結論からいうと、副業・本業問わず必要です。
今回の記事では、仮想通貨の確定申告の方法、税理士に依頼する費用やメリット・デメリットについて解説していきます。
ビットコインに確定申告は必要か?
仮想通貨・ビットコインで得た収益も本業・副業問わず確定申告が必要です。確定申告は翌年の納税額を確定するために、毎年2月16日頃〜3月15日頃に税務署へ申告しに行かなければなりません。
個人事業主やフリーランスの場合は、経費を引いた1年間の所得が48万円以上であれば申告の義務があります。
副業ワーカーは、本業収入以外に経費を引いて20万円以上の所得があると確定申告が必要となります。同様に、仮想通貨・ビットコインで収益を得ている方も確定申告が必要。
ただし、売却をせず仮想通貨を保有しているだけの状態であれば確定申告は不要です。
仮想通貨・ビットコインを申告しなかった場合のペナルティ
確定申告の期限内に申告しなかった場合、以下の2つのペナルティを受ける可能性があります。
- 無申告加算税…法で定められた期限内に申告をしなかった際に発生する罰金のこと。納付すべき税額に対して、10%〜15%を加算して請求される
- 延滞税…延滞税は、無申告課税の利息のようなもの。日割計算で上乗せされる
仮想通貨の無申告は、税務署にバレる可能性が高いです。理由として、税務調査を取引所に対して行えば、仮想通貨の取引で利益が出ているが申告をしていない、といった人を割り出すことができるからです。
また、仮想通貨を現金化する際に入金される先は銀行口座。
税務署は、税務調査も口座の確認ができるため、無申告でいるのはリスクが高いと考えておきましょう。
仮想通貨の確定申告は複雑
仮想通貨の確定申告は、通常の商品やサービスの売買とは異なり、取引の記帳は複雑です。掛取引のような決まった売掛金ではなく、仮想通貨同士で交換することや取得方法がマイニングであったりもします。
そして、取引は時価で行われているため、いつ買ったものなのか?を遡っての正式な利益額の算出が必要。
仮想通貨の申告は、白色・青色申告よりもよっぽど複雑で管理が難儀であることはいうまでもありません。仮想通貨の取引を、間違えずに1年分記録していくのはかなり骨が折れる作業といえるでしょう。
仮想通貨の確定申告を税理士に依頼するメリット
この章では、確定申告を税理士に依頼するメリット、
- 集中できる
- 節税方法を教えてもらえる
- 税務調査に対応してもらえる
について、それぞれ解説していきます。
集中できる
確定申告に必要な書類を依頼するメリットの1つ目は、勉強・実践に集中できることです。特に仮想通貨で稼ぐには、値上がり益を獲得する方法が一般的です。
価格変動があるため、リターンが多く得られるタイミングを見ておかなければなりません。また、情報収集も真偽を見極めながらインプットすることが必要となるため、本業がある方にとっては特に時間を確保することが必要となるでしょう。
節税方法をしてもらえる
所得税法での所得の分類には10種類あり、このうち仮想通貨は「雑所得」にあたります。雑所得では、所得に応じて税率が段階的に上がる累進課税が適用されるため、課税所得を減らす工夫が節税につながるでしょう。
まずやっておきたい代表的な節税方法は、必要経費の計上。仮想通貨取引にて発生したセミナー代やインターネット料金も経費として計上できる可能性が高いです。
しかし、自分で管理していると項目が多く、どうしても抜け漏れが起きてしまいがち。
税理士に依頼していると、本来計上できるはずだったものを指摘してもらえるので結果的に節税につながります。
そのほか仮想通貨同士の損失と利益を相殺して課税所得を減らす方法や、法人化のタイミングなど、経営においてのアドバイスを受けることができるのもメリットといえるでしょう。
税務調査に対応してもらえる
税理士へ依頼していると、税務調査の立ち合いをお願いすることもできます。
税務調査では、受ける側は必要な書類を用意し、想定される質問や追加資料なども事前の準備が必要です。調査当日は、自分1人で調査官に対応しなければならないというプレッシャーは大きいでしょう。
税理士に立ち会いをお願いすると心理的負担が軽減する他にも、税務調査がスムーズに進む・適切な回答により追徴課税の必要がなくなる可能性もあります。
仮想通貨の申告を税理士に依頼するデメリット
この章では、税理士へ依頼するデメリットについて見ていきましょう。
費用がかかる
当然ですが、税理士に依頼をすると費用はかかります。大きく分けると、顧問代・確定申告の業務・記帳代行に分けられ、それぞれの相場は以下のとおりです。
- 顧問代…税理士に依頼するときに必要となる顧問の費用は月々20,000〜30,000円程度
- 確定申告の業務…顧問料の4ヶ月から6ヶ月分程度
- 記帳代行…月々5,000〜10,000円程度
この他に、税務調査の立ち会いには別途費用がかかる場合があります。時間を捻出できるという最大のメリットはあるものの、費用は安いとはいえないでしょう。
しかし、税理士事務所によって料金体系は大きく異なります。
たとえば、顧問代と記帳代行がセットになっている場合や、完全リモート対応で記帳や税金対策の悩み相談のみを月額サービスとして展開している税理士事務所もあります。
相談や見積もりを依頼してから検討するとよいでしょう。
仮想通貨の申告を相談する税理士の選び方
依頼する税理士の選び方は、仮想通貨の税務に知見がある、もしくは専門として行っている税理士を選びましょう。
仮想通貨の申告においては、正確な損益計算が重要だからです。損益計算書には、主にお金の出入りが示された書類で、これを見ることで「お金を何に使ったのか」「売上がいくらあったのか」「そのうちいくらが利益だったのか」を把握することができます。
仮想通貨の損益計算は、どこで得た金額をいつ売却して収益としたのか?の把握が難しく、また、仮想通貨投資も新しい手法が出ているため正確な損益計算が難しいのが現状。もし間違った損益計算をすると、申告した利益の額が実際より大きかったら、本来払うはずだった税金より多く支払うことになり損をします。逆に、実際より小さな利益で申告した場合は、脱税の可能性が出てしまいます。
仮想通貨関連の税務が対応不可となっている税理士事務所もあるため、ホームページに記載がない場合は、問い合わせをして対応できるか聞いてみましょう。
仮想通貨を税理士に依頼するまとめ
今回の記事では、仮想通貨の確定申告の方法、税理士に依頼する費用やメリット・デメリットについて解説しました。
まとめると、以下の3点です。
- 仮想通貨・ビットコインも売却を行い、所得が20万円を超えると確定申告は必要
- 仮想通貨の帳簿付けは複雑である
- 税理士に依頼すると費用がかかる代わりに節税や時間の捻出などができる
また、税理士の繁忙期は12月〜5月といわれています。確定申告の依頼を検討している場合は、11月には依頼をしておきましょう。
仮想通貨の確定申告の依頼に興味をもった方は、税理士への相談を検討してみてはいかがでしょうか。